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拙いわたしの拙いぶろぐ

駄目人間代表が適当に書いた小咄をまとめて載せたり、大好きな戦国夫婦について語るだけ

ついのべログ⑦

ついのべログ

今年の冬も寒いそうですよ(´д`)

 

人より少し不器用で、人よりちょっとついてなくて、人よりずっと優しくあたたかい。そんなあなたに恋した私は毎日、祈りを捧げる。どうか、彼を御守り下さい。星夜は更けていく。どうか明日も、あなたに優しい明日でありますように。

 

何も望まずにすむのなら、人はどれだけ楽に生きていけるのだろう。噫しかし悲しいかな、人という生き物は欲と隣り合わせに生きなければならないとはじめから決まっていたようで。だから僕が君を欲するのも可笑しなことではないのだ。

 

君の恋が潰えるのを、静かにずっと待っていた。「私の恋は汚れてた」泣く君の頭を抱く。「恋に美しいも醜いもないよ。どんな恋だって惨めで綺麗で、切ないさ」恋する君は美しかった。まだ待てるから、次は俺だけにその顔を向けてよ。

 

吃驚した、と零す彼は確かに目を丸めていて、けれど息は整ったまま。吃驚はしても動揺は、少しもしていやしないのだ。彼を押し倒した形になってから、動き一つ取れなくなった私の髪を彼の指がそっと触れる。「君は可愛いね」後先考えないところとか。吐息ほどの声に、私はまた迷う。

 

どうしたことか私は、自分に関わった人をことごとく酷い目に合わせてしまう星の下に生まれてきたようだった。今回だってまた、優しいあの娘に傷を負わせてしまった。「ああ神様」私は、もうずっと一人ぼっちで構わないから、だから。

 

血が滲む程唇を噛む。握った拳に爪を立てる。今にも溢れそうな泪を堪える苦痛に塗れた顔。大丈夫、尋ねても君は大丈夫と作り笑いで拒む癖して後で誰もいないと泣くのだろう。痛いくせに、辛いくせに、それでも頼ってくれないくせに。

 

君が僕を殺す夢を見た。いやに黒光りした短刀をこの胸に突き刺して、君は妖艶に微笑むのだ。「それで、私に殺されて貴方はどう思ったの」僕の話に耳を傾けていた君がやけに淡々と尋ねるものだから、僕は何故か無性に泣きたくなった。

 

本当のことを正直に話せばきっと君は泣いてしまうのだろうなんて、鈍感な僕でも察せていた。だけど嘘は吐けなかったんだ。君が大切だからこその決断だったのだと、今はわからなくてもいいさ。でもいつか気づいてほしいと思ってるよ。

 

胸の奥に芽生えた、小さな小さな想い。この気持ちをなんとしよう。それはあたたかく、優しく、それでいて強く、激しく。私にとって初めての感情。本棚を漁る手が見つけ出したささやかな恋の物語に、この想いを重ねて読んでしまった。

 

はじめからわかっていたことだろう。悪魔は惨めな僕を嘲笑う。結局、何もかもを棄ててまで選んだものに意味などなかったのだ。だから君は僕をいとも簡単に棄てた。そういうことだろう。馬鹿な僕を、ほら。バッドエンドが呼んでいる。

 

皆さんにやさしい日々でありますように。