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拙いわたしの拙いぶろぐ

駄目人間代表が適当に書いた小咄をまとめて載せたり、大好きな戦国夫婦について語るだけ

ついのべログ⑫

ついのべログ

あなたの笑顔は素敵です。

 

あの子が持つ、神々しいばかりの輝きを放ちながらも温かい色をした光。何も持たぬ私は、光が欲しくて探して廻る。けれど、そううまくはいかない。溜息をモノクロの世界へ落とす。「どうして人は平等じゃないの」なんて言ってるうちは手に入らないのだ。

 

自己満かもしれないけれど、親馬鹿かもしれないけれど、駄目駄目で、人間臭くて可愛らしいあなたを、紙面越しにそっと抱き締める。あなたのことを愛してる。あなたと恋に落ちるあの子より。だからね、私は見ていたいの。あなたが紡ぐあなただけの物語。

 

退屈な日常は人を笑う声を生み、同調しなければ落とされる、馬鹿げた空気を作る。ちっぽけなその世界は、それでも彼女らにとっては全て。屋上から傍観していた黒猫は欠伸を一つ、「つまらないわ」と呟き飛び降りる。バイバイ、サヨナラ。「もういいわ」

 

苦しいと鳴く猫を誰も知らないように、声を殺して泣くあの子のことも、きっと誰も知らないのでしょう。私?私が知っていても、あの子に私は見えないわ。だから、意味がないの。あの子に見える誰かが、あの子の心を優しく抱き締めてあげてほしい。そう願うだけで何も出来ない闇夜の亡霊は星を流した。

 

さて、眠りにつく前に牛乳を温めて、それから甘い蜂蜜をスプーン一杯。窓越しに閑静な夜空を仰ぎ、それを口に含むひとときは、彼女にとって二十四時間の中で最も優しい時間。「ぼんやりすることも悪くないでしょう」どうやら今日はお客が居たようで、彼女は微笑む。その視線の先も同じように微笑んだ。

 

あの人が笑うと、君も笑顔になる。あの人が泣けば、君も悲しくなる。あの人が好きなものは、君も好き。「それでいいじゃないか」老父は目尻に皺を作る。「そうやって喜怒哀楽を分かち合うことができる人が側にいること。それがどんなに幸せなことか、君たちはまだわかっていないのかな」雨は止まない。

 

幸せを感じるとき。甘いものを食べている時。好きな音楽を聴いている時。朝日を浴びた時。ありがとうと、言ってもらえた時。誰かの笑顔を目にした時。うとうとしていたら君が肩を貸してくれた時。君の隣にいられる、時間。「私の幸せを、叶えてくれる?」頭を預けたいかり肩がはははと笑う。「勿論さ」

 

突然の雨、君の手を引いて雨宿りした軒下で「善四郎さま、」君は僕を呼ぶ。「もう、やめましょ」その声は震えていて、僕は目を瞠る。泣くのを堪えて微笑う君が痛々しくて、このまま抱き締めてしまいたい衝動に駆られる。噫僕がこんなだから、君はこんな不毛な思いを通わすのをやめようと言うのだろう。

 

君を手放したことで、僕は君の笑顔を壊さずに済んだかな。あれからひととせが過ぎようとしている。君は今も、笑顔で生きているんだろう。もしかしたら、新しい家族が出来たかもしれない。きっとそれが、君にとっての幸せだ。だけど。君の手を易々と放してしまった、それが僕の、ただ一つの後悔なんだ。

 

よくわからないけれど、前置きして貴女は俺の薬指に触れる。「君がしたいようにすればいいんじゃないかな」小首を傾げるその姿は、自分を魅せるのが上手い貴女の魔術。「その代わり、ここに私しか見えないように魔法をかけさせて」ねえ、いいでしょう。端が上がった唇は、愛らしく艶めかしく微笑んだ。

 

でも辛いときは泣いていいんだよ。