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拙いわたしの拙いぶろぐ

駄目人間代表が適当に書いた小咄をまとめて載せたり、大好きな戦国夫婦について語るだけ

ついのべログ⑯

ついのべログ

何が正しいとか、何が間違ってるとか、誰が決めたんだろう。

 

いつかこんな日が来るのは理解していたはずだった。でも、どうやら私は本当のところでわかっていなかったらしい。輝くふたり星を見つける。あの星とその星はいつも隣にいて、織女と牽牛だって一年に一度は逢えるというのに。私と貴方はどんなに願っても逢えない。私がこんなに寂しいのは、貴方のせい。

 

愛を知らない少女は、心を真っ黒に塗りつぶし生きてきた。全てを知ってしまいながらも、いつか来る好機の時を静かに待ち続けた。大きな憎しみや怨みを抱え、君は。「僕は、僕だけは、君を愛すよ」涙を堪え僕を睨みつける君に囁く。「きっと君も、僕を愛してる」確信めいた僕に、君は瞳を揺らす。「愛なんて、愛、なんて」君は瞳の奥に、隠しきれない感情を乗せて「知らない、知らない、知りたくない」と、言った。

 

隠されたローファー、落書きされた教科書、切られた体操服。古典的なイジメというやつが私を襲って早数ヶ月。はじめのひと月ほどは事の理不尽さに泣き嘆き、恐怖と悲哀に打ちひしがれていた私も、今や感情を閉ざすことを覚え、向こうが「つまらない」と言う程度には、淡白に事を過ごせるようになった。

 

「だって、救いを期待するほうが辛いでしょ」来ない救いを首を長くして待つくらいなら、はじめから何も思わないほうが楽だもの。君は吐く。「あと数ヶ月耐えれば、こんな馬鹿みたいな日々も終わるんだし」悲しい。君の言い分を聞いてふっと漏れた私の声に、君は目を見開いた。「悲しいよ、そんなの」

 

変わらないなと笑みを零した僕に、君は不思議そうに小首を傾げる。そういうあざとい仕草を無意識にするところも、ちっとも変わらない。とうとう笑いを堪えきれなくなって、僕は涙を流すほどに笑い出す。「ねえ、ねえってば。どうして笑うの」不服そうな君の頭を撫でれば、君はその手を優しく掴んだ。

 

「…貴方が傷つくくらいなら、争いが蔓延る世界なんてなくなればいいのに、なんて思ってしまうの」星空を見上げ、彼女は呟く。「…僕も、君を失ってしまうくらいなら、今この場で終わりにしたいと思ってしまうんだ」二人はやがて訪れるとこしえの別れから逃れるように、繋いだ手を強く強く握り締めた。

 

苦しむ貴方には温もりを分けるだけでいいのだと、漸く悟った。言葉も接吻もいらない、ただ私の心音だけで貴方を癒せるのだと、漸く理解した。君が辛いときはどうすればいいかと尋ねる彼に、笑う。そんなの決まってるじゃない。「あのね」ぎゅってして、ちゅってして。それだけで私、元気になれるんだ。

 

逢いたかったと抱き締められた身体の奥のほうが、疼くのはどうしてなの。涙を零しそうになるほどに溢れてくるこの気持ちは、何なの。全てが初めてのようで、懐かしいなんて思うのはなんでなの。揺れる心で、その人を見つめる。彼の奥に見えるのは、一体、誰、なの。「知りたいの、教えて」私は叫んだ。

 

「幸せにしてみせる」あなたの声が、私の中にまだ木霊しているのです。「花」善四郎さまが。焦燥と動揺を貼り付けた顔をした友を前に、私はなぜか落ち着いた気持ちで続きを促す。「善四郎さまが、自刃、なさったと」噫、やはりなの。ただ胸に湧いた悲哀を消し去ろうとばかりに、冷たい風が吹き込んだ。

 

今日も快晴。洗濯物を干し終えて、青空を仰ぐ。こんな日は何か思い切ったことをしたくなる。「あの人に会いに行こう」約束はしていないけれど、多分今日は自室で勉強しているはずだ。出掛けなくてもいい、相手をしてくれなくてもいい。雲一つない青空を見ていたら、君の傍にいたくなってしまいました。

 

広く見渡せる目で、世界を見たい。