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拙いわたしの拙いぶろぐ

駄目人間代表が適当に書いた小咄をまとめて載せたり、大好きな戦国夫婦について語るだけ

ついのべログ⑲

ついのべログ

まだ10月なのに、毛布から抜け出せません_(-ω-_[▓▓]

 

叶うはずもない夢など諦めて、それから私のことは忘れ去ってしまって、朝日を浴びて深呼吸して。そしたらあなたは幸せなままなのに、どうしてこの手を放してくれないの。呆れと哀しみで潤む目でその人の良さそうな顔を睨めば、あなたは笑ったのだった。

 

幸せの足音が聞こえた気が、した。目前では君が今までにないくらい穏やかに微笑んでいて、思わず戸惑う。どうぞその手をお取りなさい。変化を恐れないで、幸せを恐れないで。いつぞやシンデレラに魔法をかけた魔法使いが私に語りかける。そして、私は。

 

いっそ時が止まってしまえば、君をこのまま絡め取っておけるのだろうに。掴む手をすり抜けて、君は僕の知らない場所へ奔ってゆく。ここに残すものなど無いとばかりに、君は何も置いていかず、ひとり残された僕は、まだここを離れることができずにいた。

 

私がどれだけの狂気を抱えているのか。どんなに鋭く光った刃を隠し持っているのか。彼女は何も知らない。そう、何も知らず、彼女は邪気なく笑う。哀しくなるほど美しく、私に微笑いかける。そして、その笑顔がどれだけ私を苦しめているのかも、彼女は。

 

灰まみれの街に佇み、少女は首に掛けたロザリオを両掌で包み込む。色の無い目で街を見渡すと、色褪せた唇で静かに何かを呟いた。彼女以外に人のないこの街、神にでも祈ったのだろうか。そう、例えばこんな。「この夢が掠れて消えてしまう前に、どうか」

 

私にとって、お星さまのように遠い人。近づきたくて並びたくて、夢中で走った。でもその内、私が走る分だけあの人も走っているのだと気づく。そして世の不条理を知ってしまった今の私は、近づいたと錯覚する度に遠退く背中を見つめるしかできずにいる。

 

笑えるわ。雨音の中、誰かがそう言ったことだけは憶えている。はてさて、あれは誰の声だったのだろう。今更考えてもどうしようもないのだけれど、三十路に差し掛かる女は薄縁の上でぼんやりと、遠い昔のなんということもない日を思う。それが最期を迎える者に訪れる、懐古の情とも知らず。「笑えるわ」私が、あんたたちと友になれたこと、それすらが。(―嗚呼、)そうか。漸く思い出せた、若き日の友の泣きそうに歪んだ顔に、女はつられてまなこを歪ませる。「ほんとうに、笑える、わ」そうして女はあの日の声をなぞるように呟き、そっと瞼を閉じたのだった。

 

どう足掻いても、女である私が彼に勝てるわけがなく、愛しい彼女は優しい王子様と幸せに暮らしましたとさ。「おしまい、って終わらせられればいいのにね」ふふ、と零れたのは拙い自嘲で、本を閉じて、いやに美しい夕焼け空を細めた目で見つめる。綺麗だった。お姫様みたいに愛らしく微笑んでいた。でも、叶うのなら。「私の隣でその表情をしていて欲しかった」

 

どうして君だったんだろう。どうして私だったのかな。「恋に落ちてわたし そんなことを考えてしまったよ」唇が唄う恋のうたは、これから練習する新しい曲で、朝から雨降る景色を窓越しに眺める。まるで、私の恋模様を表しているようで、この恋を諦めろと言われているようで、一度は開けたカーテンをまた閉める。「わかってるよ、そんなことくらい」窓の下に膝を抱えて蹲る私の、せめぎ合う心の裡を知る人なんていない。“それでも、好きなの。好きで、いたいの”私はあの子みたいに、あんな真っ直ぐな目、できないよ。

 

太古の昔から、許されない想い。掟を破った二人は、儚い終末を迎えた。ジョージはその時、まだ生まれたばかりの赤子で、二人の想いを知る由もない。しかし、事実は神の目を通されこの頭に入ってきた。そしてその二人の遺した娘もまた、両親と同じ、許されない想いを抱いてしまったのだと、ジョージは知った。だって、あの揺蕩う水面の如し瞳は。「…さて」彼女は、何を選ぶのだろうか。復讐か、愛か、それとも。「はいはい、わかってますよ、神」神官に出来るのは、事を見守るだけ。ジョージは神殿から音も立てずに去った。

 

風邪引くんじゃないよ〜(´▽`)