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拙いわたしの拙いぶろぐ

駄目人間代表が適当に書いた小咄をまとめて載せたり、大好きな戦国夫婦について語るだけ

ついのべ35

ついのべログ

最近、気づけば逃げ恥の主題歌「恋」を口ずさんでいます。

 

幼子のような足取りの彼女は、膝が触れそうな距離で座り込む。酒を含んでいないのだから酔ってなどいないはずの彼女は目をとろんとさせ、紅く染まった頬で僕を見上げる。温い指先が身体の線を伝うことに胸を鳴らす僕に、とどめのように彼女の唇が咲ってみせた。

 

花ちゃん、と名を呼ばれるだけで満たされる幸せ、高鳴る胸。好きになれば好きになるほど、もっともっと好きになる。「まるで、善四郎さんっていう海に溺れているみたいだね」頬を染めて恍惚とするすずに、花は合点がいく。「善四郎さまに、溺れていく…」これほど今の花を正確に表す言葉は、きっとないだろう。彼に思い切って言ってみようか。「わたし、あなたに溺れているんです」

 

嘘は駄目。でも忍び者は嘘をつかなければならない。矛盾は「正心を持て」という師の教えでどうにか見ぬ振りしている。「なるほど。恋の駆け引きと同じねぇ」団子を食べ終わった串で空中に波を描き、翠子が言う。騙し騙され、愛されて。「おまえになら、騙されてもいいかもな」真白い布団に凪を押し倒した男は、艶笑する。「私も、あんたになら騙されてもいいわ」凪はゆっくりと、その首に腕を回した。

 

侍女は如何なる時も主に見合った女性であるもの。主を守るもの。色に溺れるなど以ての外。そう言って北の方は、侍女衆に恋愛禁止令を出した。「色に溺れるのが駄目なら、情に絆されるのも駄目ってことじゃ、ないの?」愛らしく小首を傾げた蘭に、花は「えっ」と声を上げる。「だって色より寧ろ、情に絆される方が致命的...じゃないかな?そこに付け込まれる可能性があるんだから。それが友情であれ、恋情や愛情であれ」確かに。花は頷かずを得ない。でも、でも。胸が疼く。「恋心を棄てることなんて、出来ないです」善四郎の胸に顔をうずめたまま、花は呟く。「わたしはあなたが好き、大好き。それは、だめなことなんですか」花の垂らした髪を撫でる手は、花の心を癒す。「だめじゃないよ。僕も、棄てたくはないな」出来れば、ずっと。善四郎の囁きで、花は十分に満たされた。

 

口付け。その甘美な響きは、年頃の娘である花の胸を弾ませる。私もいつか愛しい人と、なんて夢を見て。「...花ちゃん」己を呼ぶ大好きな声に、はっとする。「僕の顔、何か付いてる?」血色の良い唇に目が行っていたのが、バレていた。「い、いえ!何も、なんにも」焦る花に善四郎は訝しがって、それから目を細めた。「...じゃあ、何か期待してた」「〜っ...善四郎さまのいじわる、」顎を引かれた次の瞬間、唇が、奪われた。

 

(…あ)移動教室のため渡り廊下を歩いていると、校庭の方からぞろぞろと歩いてくるジャージ姿が見えた。その中には、花の思い人である善四郎もいて。(私に気付いてくれるかな)自分の中だけで小さな賭けをする。どきどきと高鳴る鼓動をそのままに、花は善四郎を見つめた。「あっ、花ちゃん」気付いてくれた善四郎は花を見つけるなり、手を振った。それに振り返す花の頬は、これまでかという程に緩まる。目を合わせたその一瞬で、花の心は幸せに満たされてしまうのだ。

 

チョコレート。アイス。ケーキ。甘い物は好きだが、カロリーを気にして控えている。それなのに。彼の隣で映画を見ていたはずなのに、気付けば唇に柔らかいものが触れていた。驚く私に彼は笑う。「花ちゃんが今日も可愛いから、奪っちゃった」彼といるだけで、彼の笑顔だけで、糖分過多、カロリーオーバー。

 

人並みな言葉かもしれない。それでも、今、この世でただ一人愛する彼女に捧げるならば、この言葉しかないと思った。「君を、世界中の誰よりも幸せにする」満点の星空の下、辺りは静まり、僕達の他には人の気配すらない。暗くてよく見えないはずの彼女の顔が、はっきりと見えるのは何故だろう。そしてその顔が、今までで一番、美しく見えるのは。「だから、僕と、結婚してください」星空の中でも際立って目立つ、あの伝説の姫星に、誓おうではないか。「…喜んで!」いつの間に君は、そんなに優美に微笑むようになったんだろうね。堪らなくなり、小さな体を引き寄せ、静かに接吻を落とした。

 

ふわふわと柔らかい、まるでわたあめみたいな善四郎の髪に、花は思わず彼が愛しくなり、一つ、接吻を落とす。「ねえ、知ってる?」されるがままだった善四郎は、花の手を引き、その体を器用に膝に乗せ、抱き抱える。「髪にする接吻って、思慕の証なんだって」花のさらさらとした髪に手櫛を通し、善四郎は言う。(…知っていたことは、言わないでおこう)ずっと変わらず愛おしく想わせていてほしい、なんて呪いをかけたことなんて、彼は知らなくていい。くすぐったさに身をよじり、花は一つの真実を胸に秘めた。

 

‪高熱で意識が朦朧とする。枕元にあった水を含んでいれば、髪を結わいながら音哉が現れた。まだ寝てろ、そう私を寝かせようとする手を掴んでしまったのは不意で、驚く目が搗ち合う。噫、体が熱い。頭が、熱い。全てを熱のせいにして、引き寄せた唇に口づけた。‬

 

でも相変わらずラ!の曲も聴いてます♩( ´ー`* )♩