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拙いわたしの拙いぶろぐ

駄目人間代表が適当に書いた小咄をまとめて載せたり、大好きな戦国夫婦について語るだけ

ついのべ45

ついのべログ

毎朝きなこ餅食べてます( ˙༥˙ )♡

 

薔薇のようにその美しさを主張するような子ではない、道端で控えめに咲くたんぽぽのような女の子。だけど一目見たときから俺の世界は君だけだった。目を細めて微笑む君に、頬が熱くなって視線を逸らす。「逸らしちゃ嫌」君は呟いて、俺の頬に触れる。伝わる君の冷たい温度が、更に頬に熱を帯びさせた。

 

地下鉄のホームで君を見た。三年ぶりの君はあの頃よりずっと綺麗になっていて、しゃんとしていた。人の波に遮られ、遠ざかっていく君は僕のことなど目にも入っていなくて、車両に乗り込む。これがきっと、僕らの運命というやつなのだろう。動き出した車窓から、目を見開いた君が見えたような気がした。

 

放課後の教室でふたり。日直の彼女は日誌を書き、俺は彼女の帰りを待つため本を読んでいた。窓から聞こえる部活生の声をBGMに流れる時間はいつもより穏やかで、夢をみているようにも思える。ふと目に付いた、ペンを握る右手が思ったよりも小さくて、なんとなしに触れれば、彼女は字を酷く歪ませた。

 

大事にしたいんだ。その誠実な想いは有難く受け取ろう。照れた笑顔の中に浮かぶ瞳は真剣で、花はその瞳を真っ直ぐ見つめ返す。知っている、彼が自分のことを何より想ってくれているのか。でも。花は彼の耳に唇を寄せる。今から言うことは、あなたにだけしか言わないこと。二人の内緒。「わたしはね、」

 

怖くないと言ったら嘘になるけど、決して恐怖を感じるわけではない。耳朶に触れる彼の指先がやけに冷たくて、頬が震える。「あつい」呟いてにやりと笑う彼はいつもと何ら変わった様子がないのが、腹立たしくも思える。だけど、細まった瞳が微かに揺れているのに気づいてしまい、私は静かに目を閉じた。

 

抱きしめたら消えてしまいそう。つい零れた無意識に君は瞬くと、けれども直ぐに表情を和ませる。「ふふ」口元に袖口を当てて微笑う君を前にどうにもむずがゆくなって、ぽりぽりと頬を掻く。「消えませんよ」そんな僕の両手を、君の手と言葉は温かく包み込む。「花はいつまでもあなたのお側におります」

 

挙動不審。夫に悶々とする私に義兄の正室が笑ったのはつい先日のことで、その原因である夫は能面のような顔で白米を咀嚼している。何とか打ち解けられないかと頭を悩ませて暫く、未だ夫の表情が崩れたところを見たことがない。私を見るその双眸も心がないようで、噫もう!(何考えてるのかわからない)

 

とびっきり優しくて、ちょっぴり頼りない。川辺を歩くあなたの横顔をちらりと盗み見る。人生は山あり谷あり、全てが上手くいくなんてことはなくて、でも今私があなたの隣に居られるのは奇跡のようなもので。差し伸べられた手を取って、私はにっこりと微笑うのだ。これからもよろしくお願いします、と。

 

何があろうとありのままを受け止める君。小さな物差しで人を測ることがない君。人の善し悪しは、人間が測れるものではないと語った君。どんな君も愛しくて、そんな君だから僕は幸せにしたいと願うんだ。僕の願いなど知らず、君は今日も君らしく、僕の側で生きている。でも、それでいいんだと思うんだ。

 

「もうつかれた」君を傷つけると知りながら吐き捨てた言葉は空を舞って、二人の元から去っていく。今にも泣き出しそうな顔で黙り込む君の感情を測ることすらもう僕にはできなくて、体の側面で揺れる手を背に隠す。そうでもしなければ、終わりにすると決めた華奢なその体を抱き寄せてしまいそうだった。

 

他のアレンジでも食べてみようかな〜