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拙いわたしの拙いぶろぐ

駄目人間代表が適当に書いた小咄をまとめて載せたり、大好きな戦国夫婦について語るだけ

ついのべ48

ついのべログ

色々悩んでますҨ(´-ω-`)

 

「隠れても無駄だよ」掴まれる腕、捕らわれるこの身、揺れる心。耳元で囁く声が吹き込む風のように脳内を麻痺させる。拒むな、足掻くな、思いのままに。最後の警鐘とばかりにびりびりと全身を駆け巡る名前も知らない感覚に、私はもう抗うことすらできず、小刻みに震える手のひらはあなたの背に触れた。

 

僕と君は未来永劫、結ばれないと分かっているよ。嫌になるほど蒼い空は高くて、いくらこの腕を伸ばそうと届かない。だけど、届きやしないと諦めてしまえば物語はそこで終了、ゲームオーバーだ。そんなの、堪ったもんじゃない。ひとつ深呼吸した僕は伸ばした先の指先で、君の笑顔みたいな太陽を掴んだ。

 

身体に刻まれる愛を今直ぐ捨て去ってしまいたいと深く息を吐いた。重い身体は起こすだけでも怠くて、想いとやらごと脱ぎ去る。気まぐれに開けたカーテンは眠る君を隠し、そうして私はやっとうまく呼吸ができるようになるのだ。君の寝息だけが響く部屋に、薄汚れた私はこれ以上居ることができなかった。

 

ソーダ水へダイブ、しゅわりと身を包む炭酸は時折チクチクして、固く閉じた目蓋を開くことを躊躇う。それでもわかるのは水中にも射し込む陽の光の温かさと、私を追って飛び込んだ、君の躊躇いのなさ。だからかな、息ができなくても苦しくはない。身を抱く温もりに安堵した私は、静かに息の音を止めた。

 

不気味なほどに閑かだった。月の灯りと貴方の手の温もりしか頼れるものはなくて、導かれるように暗がりを進む。風に靡く木々に思わず驚いた私を、貴方は笑う。けれど私に膨れる暇も与えず、貴方は離した手を振り、それから。(いかないで、いやだ、いかないで)その拒否は、声にできていたのだろうか。

 

君の本当の気持ち。きっと一生をかけても分からないこと。空を彷徨う手を嘲笑うように君はひらりスカートを翻し、誰にも気づかれないよう上手に心を隠す。悲しくなるほどにっこりと微笑む君の髪を結うリボンを、音も立てず解く。突然のことに驚く君も、このリボンのように簡単に解けられたらいいのに。

 

うまく言えないけれど、兎に角嫌ではなかった。まるで縋るように抱きしめられて、背を抓ろうと回した手をどうしたことか撫でるために使ってしまったのは、この男の身体が目を瞠るほどに冷えきっていたからで、息の音すら聞こえぬ世界で広いようで細い背を撫でる。大丈夫、どんなあんたも嫌じゃないよ。

 

新色の紅も甘い菓子も心が踊るけれど、それよりずっと心弾むのは、あの方の笑顔と言葉たち。「というのは、秘密ね」内緒、と口元に人差し指を立てる上司にたえは頷くと、その仕草を真似する。ふふふと微笑う憧れが幸せそうなのは恋をしているからなのだとすれば、恋とはなんとすてきなものなのだろう。

 

どうかどうか、この方に平穏を。あまり神仏を信じる質でないのだけど、憧れの人の弱さを目の当たりにした今、何でもいいから頼りたいと思うのは虫がよすぎるだろうか。悲しみをひた隠し気丈に振る舞う姿は、彼女に対して初めて持つ『痛々しい』という感情で、私は祈る他何も出来ずただ側に立っている。

 

子どもながらに人前で涙を流すことを恥じみ、乳母も置いて独り海辺まで駆けていった。悔しい、悔しい、悔しい。母上を悪く言うな、そう口に出すことさえ出来ぬことが悔しい。溢れる涙は塩っぱく、海の味がする。大好きな海で流す涙は大好きな海の味なのに、抱えきれぬ気持ちが辛くて、海の色が滲んだ。

 

だから、クオリティが落ちてるのは許してね(>人<;)