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拙いわたしの拙いぶろぐ

駄目人間代表が適当に書いた小咄をまとめて載せたり、大好きな戦国夫婦について語るだけ

ついのべ50

ついのべログ

ついに50の大台ヾ(●´∇`●)ノ

 

嗚呼、嫌になるほど手に取るように分かってしまう。彼女が何を恐れているのかも、何に怯えているのかも、心の奥底に潜めた本当の気持ちも。抱き締めた身体は思っていたよりずっと華奢で頼りなく、嫌だとやめてと零す声も弱々しい。「やめない」君が僕を拒んでも、気持ちを認めるまでは絶対に離さない。

 

「お前と一緒がいい」坂道の先、叫ぶ声に目を瞠る。待ってよ、そんな素振り一度だってなかったじゃない。思い続けるのも疲れてしまって、諦めてしまおうと思った矢先に、なんでそんなこと言っちゃうの。あれ、おかしいな。呟く中も、世界が滲む。そうね、あんたがこの涙に気づくのなら考えてもいいわ。

 

まるで一生の別れみたいに、泣き出しそうな顔はやめて。これでお終い、なんて勝手に終わりにしてしまわないで。「怒ってる」怒ってるよ。でも正直に言ったって、あなたはごめんとただ呟くのでしょう。「怒ってなんてないよ」でも、「さようなら」なんて言わないでよ。そうじゃなくて、またね、でしょ?

 

少し時間をくれないかな。貴方は難しい顔してそう言うけど、果たしてそれは考えたらわかることなの?眉間に皺を作って貴方を見つめる私を、貴方は困ったふうに撫でる。「僕は君ほど単純じゃないんだ」なんて失礼じゃない?でもそんな貴方も好きだって思ってしまうのだから、多分猶予もあげちゃうのだ。

 

その手を取ることすら憚られて、伸ばしかけた手を握り締める。恐れることなど何もないさ、彼はそう笑うけれど、私には幾つも恐れることがある。私は貴方が思っているほど強くなんてないのよ、呟く私の引っ込めかけた手を奪って、彼は言うのだ。「今更だな」お前が弱いことくらい、昔から知っていたよ。

 

ずっと見てきた。お前が知る由もない夜明けから、ずっと。戦場に響く銃声に心が震え上がる。酷い形相で己を睨む彼女はどこかほっとした様子で息を零し、殺すなら殺せばいいと吐き捨てる。噫、お前はこの時を待ちわびていたのか。俺に殺されることを望んでいたのか。酷い女、呟きは喧騒に掻き消された。

 

変わらない状況に、一途で純粋な君の気持ちに甘んじていた罰が当たったのだろうか。恐らく望まずして政に巻き込まれてしまった君は、目を覚ます様子を見せない。手のひらでそっと触れた頬は冷たく、赤らんだそれを忘れてしまいそうだ。風に吹かれ窓が大きく揺れる。まるで僕の心のようだと息を殺した。

 

「あなたの画が百点だって言うなら、私はそれを百二十点にする自信、あるので」さも当然のように言い放った彼女に、流石の己も目を丸くした。呑んだ息は、はっと零した音と共に空中へ戻ってきた。どうにも可笑しくなって口元に弧を描けば、怪訝そうに己を見遣る彼女に宣戦布告。「面白い。やってみろ」

 

愛などとうの昔に忘れてしまった。彼女は川に石を投げ入れ、か細い声でそう呟いた。見える横顔は悲哀など少しも浮かんでおらず、ただあまりに色が無い。「だからといって不便なことはないんだけど」喋らない私を見兼ね付け加える彼女の首に腕を回し、その耳元で囁こう。「それなら私が百人分、愛すわ」

 

隠してきたこと。心の奥底に潜めていたこと。天地が変わるその日が来るまで、誰にも話してはならないと固く言いつけられていた。「神父さま」人の気配すらない教会で一人、亡き養父を呼ぶ。「今が、神父さまの仰った『そのとき』なんですね」返ってくるわけではないが応えを待つ暇もなく、扉が開いた。

 

雨の日は体調悪くなるけど、嫌いじゃない。