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拙いわたしの拙いぶろぐ

駄目人間代表が適当に書いた小咄をまとめて載せたり、大好きな戦国夫婦について語るだけ

ついのべ51

ついのべログ

花粉症が辛い時期になりました(ゝ_ξ) 

 

あの子を守りたい、それだけだった。だけど神様はそんな小さな願いすら許してはくれないようで、この身体はみるみる弱り果てていく。床から起き上がることさえままならない今の僕を見たら、あの子はどんな表情をするだろう。情けなさに支配された部屋の扉を開いたあの子が、腫らした目で僕を見つめた。

 

絶対なんて、大嫌い。夜も明けきらぬ頃、吐き捨てるように呟いた音が世界に溶けていく。『絶対におまえの元に帰ってくるよ』私の頭を撫でてそう言ったあいつは、この夜が明けて今日もまた人々の営みが始まっても、此処に帰ってはこない。「嘘をついたあんたも大っ嫌い」だから、泣いてなんてやらない。

 

あなたの姿を見つける、覚束無い足取りでそれでも駆ける、その大きな背に抱きつく、やっと掌中にした温もりを抱きしめる、抱きしめる。(待ってた、ずっと)音にはできなかったけれど、あなたの背に水溜りを作ってしまったけど、あなたは全てわかっていると言うように振り向いて微笑う、私を胸に抱く。

 

もしもの話、でも想像でもしないと心がもたない話。もし貴女を手に入れられたなら。貴女が私だけを見てくれるのなら。そうしたら私は、きっとずっと笑顔でいられる。今の何十倍も笑って過ごせる。「だけどそれは有り得もしないただの夢」身を刺すだけの意味しか持たぬ呟きは、安易に風が攫っていった。

 

置いていかないで。独りにしないで。背後で流すその涙を拭えなくてごめんね。今となってはもう、謝ることも許されないけれど。歩む道は険しくて、君を連れてはいけないと時が経っても同じ結論に達する。「君には幸せになってほしいんだ」あの日の選択が間違いではなかったと思える時を僕は待っている。

 

ちょっとしたことで胸が痛んで、頭を悩ませて、ちょっぴり涙して。好きになると弱くなるね。でもね、貴方の憎めないその笑顔を見ると、好きになったほうが負けって言葉を理解しちゃうんだ。ふいに掴んだシャツは天使の羽みたいに真っ白で、目が眩む。どうしたのと振り向く貴方に、何か言えただろうか。

 

少しの間、耳を貸してよ。何か企んでるでしょ、訝しげに俺を見る君にいいからと催促。まだ疑っている君はそれでも此方に耳を差し出してくれて、耳朶がふっくらした左耳に唇を寄せる。いいかい、一度しか聞かないよ。一言一句逃さないでおくれよ。君にしか聞こえないよう、囁く。俺のことどう思ってる?

 

嗚呼、闇にさらわれたかのよう。身も心も世界すら真っ黒になって、君の気持ちはおろか、君の表情さえ見えない。手を伸ばす、けれど伸ばしても伸ばしても君には届かない。ねえ、と声が君に聞こえているかわからないけれど。君から私が見えているのなら、どうかどうか、この手を掴んではくれないですか。

 

「あなたが護りたいと願ったものは、本当にそんなものだったんですか」ぎらりと輝くカラスのような双眸が、彼女の言葉に揺れ惑うようにも見えた。両拳をぎゅっと握り締めるだけしかできずにいる僕の隣で、彼女は彼に立ち向かう。「いい加減目を覚ましてください」凛とした声が僕らの世界に響き渡った。

 

風に震えながら螺旋階段を登る。私に何ができるのか、それはまだわからないけれど、皆が私の力が必要だと言ってくれるのだ。出来る限り協力したいと、ひたすらに登る。交わす言葉もない中、ふと足を止めた。「風が、止んだ」呟いて、気づく。噫、役目を終えたのね。ふいに伸ばした手は、何も掴めない。

 

薬貰いにいかなきゃ…